現在の予約可能枠は11/18-20, 29, 30, 12/13-16, 19-24, 28 (西部)11/18, 29 12/13~15,20,23,24,28日(是澤)です。

Q&A

楽器は洗って持ち込んだほうが良いですか?(金管楽器)

作業の前にある程度グリスとオイルを洗浄剤で拭き取りますので、定期的に洗浄に出していれば問題ありません。ユーフォやチューバなどの大型の楽器で汚れやヘドロカスが多く溜まっている場合はうまく処理ができず効果が出にくい場合がございますので、管内洗浄してからご依頼ください。管楽器調律を既に施した2回目以降の楽器についてはチューバのみ、管内薬品洗浄と調律の微調整のセットプランを用意しております。(西部のみ対応)

自分で炙ってみたいのですが、できますか?

危険なのでおやめください。楽器とは本当に繊細なバランスで成り立っており、少しの変化で名器が全く使えない楽器になることもあります。特に木管楽器の調律はタンポやコルクなどの可燃性のパーツが焦げてしまうなど、未経験の方が真似されますと非常に危険です。また、条件を間違えると銅は元の硬度に戻すことは出来ませんので、ご注意ください。また、無知識な状態でただ楽器や金属を「炙る・焼く」だけでは正しい効果は出ません。仮になにか変わったとしてもそれがどう変わっているか判断する耳を持ち合わせていないと仕上げることは困難です。
管楽器調律研究所が35年かけて蓄積した研究データによってバランスを作っておりますので、ご自身の大切な楽器のためにも、調律師にお任せください。

ラッカーやタンポなど、楽器は焦げないのか

ラッカー仕上げは近代に製造された楽器では極稀な例を除いて問題ありません。
オーバーホールにてラッカーをかけ直した場合や、経年劣化により既にラッカーの状態が悪い場合は変色する可能性がございます。その場合でもはんだ付け修理の際にラッカーが焦げるリスクより低い程度です。
木管楽器のタンポに関しては、人肌でも熱くないほど高速で火を当てていますので、接着剤の耐久温度やタンポが焦げるということはありません。

表面を炙っただけでなにか変化するのですか…?

各メーカーさんで楽器が作られた時点で金属にしても木材にしても研究と試作を重ねて製造しており、その根本を変える必要は全くないと考えております。大幅に材質の性質が変わってしまうほどの変化というのは必要ではなく、必要なことはそれぞれの個性や音響特性を最大限に引き出すことです。そのためにはもちろん楽器が良い状態(タンポ外れていたり、ピストンが動かない状態では効果が出ません)で、腕の良い調整が大切です。
そしてその先に、楽器の音響効率を最大化すべく導き出された方法を総合して管楽器調律を行っております。
人間の耳は機械では計測できないような微細な変化を聴き分けることができます。柔軟の思考でありとあらゆる手段を試し、その微細な変化を聴き分け、どうしたら音がどう変化するのかということを日々探求し続け、蓄積しております。それらの知識と経験を使って調律を行っております。

明るい音色や暗い音色等、音色調整することはできますか?

混同しがちなのですが、「好みの音色」と「楽器本来の鳴り方」は異なったベクトルの要素です。世界的トッププレイヤーの演奏を聴くとよくわかりますが、基本的にどの楽器を吹いてもその人の音楽表現になります。

つまり音色を含めて、楽器をコントロールするのは演奏家であり、最も振動効率の良い状態を作り出すことで、楽器の潜在的な部分を引き出し、より自分の奏でたい音や音楽に集中することができる状態を作ることが調律の大きな目的であります。これはプロ奏者にもアマチュア奏者にも学生にも共通して大切な考え方では無いかと私たちは捉えています。

金属疲労で鳴らなくなった楽器にも効果がありますか?

これは楽器業界で広く勘違いされて伝わってしまっていることですが、楽器において金属疲労は度重なる外部からの力による損傷などを除いて、まず起こりえません。つまり、吹いていたら音の振動で楽器がヘタるなどということは物理的に矛盾が生じます。楽器が痛み始めるとしても、まずピストンやロータリーなどの可動部分からで、本体の歪みが原因です。

楽器の鳴りを悪くする原因は、主に部分硬化による振動伝達の不具合によるものです。

​ぶつけてもいない、大切に扱っているが、新品のときの鳴り方とは違う、そして馴染んできた感覚とも違う…といって手放されてしまう楽器が多く存在しますが、特別大きな事故で大幅な凹み直しをしていなければ、購入時よりよい状態へと復元することができます。

​では、この現象が金属疲労でなければなぜ起こるのかについて、楽器とは非常に繊細な金属のバランスで出来ており、ある一部を硬化させるだけでも大きく響きが損なわれてしまいます。購入直後はたとえ状態の良い個体であったとしても、大抵はある程度ストレスの残った状態でバランスが取れています。それが使用年数とともに徐々に、ほんの僅かですが、崩れていくことで本来保たれていた振動効率が落ちていきます。また、楽器の一部のみを熱処理などによってストレスを取り除こうにも、バランスを崩すことで元の状態よりも悪くなる可能性すらあります。

楽器を焼き鈍しして大丈夫なんですか?

管楽器調律はいわゆる工業的な焼きなましとは異なります。一般的に熱処理とは応力除去や硬度の調整を目的として、一定の熱を一定時間加えることを指しますが、楽器の制作過程で「工業製品としての」焼きなましの作業は既に行われていることがほとんどです。素材の根本的な組成や硬度を変えるのではなく、それよりも弱いエネルギーでの微調整を作業を職人の耳と経験を使って施工しています。

直火による熱を加えている工程がありますが、楽器の製造や修理の過程でも使用されるレベルでの火力ですので、金属・木材・樹脂・にダメージを与えません。

しかし、未経験の方が真似をしてしまうと想像以上に難しく、取り返しのつかない焦げや破損に繋がりますので、お客様が安易に真似だけはされないよう、お願い致します。

お客様の大切な楽器を施工させていただく際には、基本は対面にて丁寧なご説明の上、実際の作業と変化の様子を見ていただきながら行いますので、ぜひご予約の上、ご体験くださいませ。 もちろん、遠方のお客様には配送でのご用命も承っております。

楽器に凹みが何箇所かありますが、これは直してから調律を依頼したほうが良いでしょうか。

細かい凹みであればさほど問題はありません。大きな凹みであれば、事前に修正することをおすすめいたします。

凹み修正は黄銅(真鍮)よりも硬い金属のローラー擦ったりや芯金に当てて金槌で叩きながら形状を修正します。そのため凹み直しの箇所だけが局所的に「硬い」状態になります。もちろん、金属への影響をなるべく最小限で形状が修正できるように日々技術は発展しておりますが、現状吹奏感に関しては、凹ませてしまった時点でもとに戻らないという認識が一般的です。そのため、凹みをしっかり直した上で調律されることをおすすめいたします。

調律をしたあとに楽器をぶつけてしまいました。響きはなおりますか?

はい、元に戻せます。一度調律した楽器であっても扱いが悪いと凹んだ時の衝撃でその場所の金属が硬化します。
ですが、余程の損傷で無ければ、再調律することで全体の響きがもとに戻ります。価格はお見積りになりますのでお問い合わせください。

冬場に石油ストーブのある練習場で楽器を吹きます、調律した楽器やマウスピースに影響はありますか。

調律した楽器であれば、既に緩和した状態ですので、大きな影響はありません。マウスピースの場合は楽器よりもかなり繊細なバランスで調律されているので、バランスが崩れる場合がございます。もしどうしてもその状況を避けられない場合には、3−5m離れることで影響を最小限に抑えることができます。

キーバランス調整も一緒にお願いしたいのですが…できますか?

管楽器調律では、一般的なキーバランス調整や凹み直し等は承っておりません。ご依頼の前に担保が全てふさがっているか、調整の確認をお願いいたします。

上記をご覧になられた上で、ご不明な点がありましたらお問い合わせください。