管楽器調律って実際どういう技術なの?
管楽器調律で行うこと
管楽器調律では、素材が持つ固有の共鳴周波数の倍音バランスを整えることで、楽器本来のポテンシャルを引き出します。
楽器の設計や素材についての豊富な知識をもとに、楽器の状態に合わせて適切な処理を加えます。楽器のパーツを爪で軽く弾きながらその音を聴いて調整をしていきます。その他にも楽器の洗浄やパーツ交換など、楽器を最善の状態にするためにできること全般をトータルで提案させていただきます。

実際に変化した素材の音を聴いてみましょう
ユーフォニアムのベルを爪で軽く叩き、調律前後の音を録音しました。「変わった気がする」という感覚だけでなく、今回の録音では、波形や周波数成分の違いをデータでも確認できます。
比較しやすいよう、音声の最大振幅を揃えています。施工前と施工後の音を聴き比べてみてください。
施工前

施工後

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熱処理との違い
管楽器調律の作業には温度は関係なく、一度仕上げた音の方向性を何度でも微調整、再調整することができます。一方の熱処理は基本的には元に戻せない処理です。
よく勘違いされがちな熱処理は素材の特性を変えるための処理で、楽器製造時にも用いられています。
熱処理について詳しく読む
熱処理(ねつしょり)とは?
主に金属や合金などの材料を特定の温度に加熱し、その後の冷却プロセスを制御することで、材料の物理的および機械的特性を変化させる技術です。この技術は、金属の硬さや強度、靭性(じんせい:粘り強さ)、耐久性、加工性などを目的に調整するために広く利用されています。
真鍮(銅と亜鉛の合金)は、管楽器や機械部品、装飾品など、さまざまな用途で使用されており、その特性を最適化するために熱処理が行われます。真鍮に対する主な熱処理には、「焼なまし」「焼鈍」「焼入れ」「時効硬化」「応力緩和焼なまし」があります。
焼なましは、真鍮を加熱してゆっくり冷却することで、材料を軟化させ加工性を向上させます。焼鈍は、内部応力を取り除き、部品の寸法安定性を高め、脆性を低減する方法です。焼入れは、急冷によって硬度や強度を向上させる手法ですが、真鍮では大幅な硬度向上は期待できません。時効硬化は、特定の真鍮合金に対して硬度や耐摩耗性を高めるために行われ、応力緩和焼なましは、冷間加工後の内部応力を和らげ、変形や亀裂を防止します。
これらの熱処理は、用途や目的に応じて使い分けられ、真鍮の特性を最大限に引き出すために重要な役割を果たしています。
管楽器調律の施工には熱は関係なく、熱しているわけではないところがポイントです。そのため、金属だけでなく、木材や樹脂の楽器にも対応しています。音の鳴る楽器ならどんなものにでも応用が可能なので、弦楽器や打楽器、ピアノへの施工も実績があります。
具体的な調整方法については、火を距離や当て方を工夫しながら素材のもっている固有の倍音を調整します。特殊なヘラを使って部分的にあえて振動のポイントをずらしたり、パーツごとに処理を変えたりしています。

プロ奏者との研究
和田守弘氏と筆者(西部圭亮)は、この技術をより実用的なものにするため、長年にわたりテストと改良を重ねてきました。サックスからチューバに至るまで、様々な楽器の一流のプロ奏者と共同で実験を行い、どのような変化が演奏にとって最も適切かを検証しました。その結果、楽器の特性ごとに最適な変化を生み出すための「調律のレシピ」を確立することができました。
更に管楽器調律TOKYOでは調律を担当する調律師全員が現役の演奏家であり、プロ奏者としての演奏活動を通して得た知識と経験を活かした調整を行っています。
ご利用者の体験談
国内外のプロ奏者をはじめ、様々な方にご利用いただいています。プロ奏者への有償の宣伝依頼は行わず、実際にご利用いただいた方の体験談をご紹介しています。
自己流で行うリスク
火を当てるだけで再現できる技術ではありません。複数の工程と、音を聴きながらの判断が必要です。自己流で行うと楽器の状態を悪化させるおそれがあるため、専門の調律師にご相談ください。また、当技術を正式の取り扱っているのは、関西の管楽器調律研究所と管楽器調律TOKYOのみです。無許可の類似のサービスにご注意ください。
楽器の状態とご希望を伺い、音と吹き心地を確認しながら仕上げます。関連ブログでは、楽器の状態についてさらに解説しています。
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