楽器が金属疲労を起こすと思っているあなたへ
楽器がヘタる原因について
金属疲労してるからこの楽器はそろそろ寿命だね
という話を聞いたことはありませんか?
断言しますが、通常の演奏だけで楽器全体が「金属疲労で寿命を迎える」とは考えにくいです。
え?!?!
という声が聞こえてきそうですが、順番に解説していきます。
金属疲労ってなんですか?
金属が「少しずつ傷んでいく」現象のことです。たとえば、クリップを何度も曲げたり伸ばしたりしていると、最後にはポキッと折れてしまうことがありますよね?あれが、まさに金属疲労なんです。
普段は問題ない強さの力でも、同じ場所に何度も力が加わると、金属の内部に小さなヒビ(クラック)ができてしまいます。このヒビは放っておくと、だんだん広がっていき、最終的には「もう限界!」という感じで突然壊れてしまうのです。
たとえば、飛行機の翼や自動車のエンジン、遊園地のジェットコースターなど、日々繰り返し負荷がかかるものは、金属疲労がたまりやすいです。そのため、定期的に点検して、壊れる前にメンテナンスを行うことが大切とされています。
トランペットで例えるならば、何回も何回もベルをグシャグシャにへこませてしまってそれを複数回修理している楽器なんかは、金属疲労を起こしている可能性が高いです。
また、音響疲労といって高エネルギーの音響振動や高周波にさらされ続けることで金属がだんだんと破壊されていく現象があります。これは飛行機のエンジンや電気・ガス産業で使われる用語で、楽器のような振動とは全くエネルギーの数値が違う話です。
つまり、
一般的な演奏による吹きにくさを、すべて金属疲労で説明することはできません。
長年の使用による部品の摩耗はあり得ますが、
少なくとも、数年の使用で鳴りにくい音が出てきた場合も、原因を確認し、調整や修理で改善できる可能性があります。
もう音は直せないって言われるのって本当に悲しいですよね…
では、なぜ鳴りムラが生じたり、吹きにくくなったりするのか?
長年使用していると、楽器の状態が少しずつ変わり、結果として「特定の音が鳴りにくい」「音が詰まる」といった症状が現れることがあります。
これは金属自体の物理的劣化ではなく、振動伝達の効率に関わる要素であると考えられます。また、金管楽器はみなさんが思っている以上に繊細で、持ち運びや使用とともに僅かに歪みが生じていきます。真鍮の薄いパイプですから、グッと力をいれれば簡単に曲がるような柔らかい素材なんです。
木製の木管楽器の場合は、湿度の変化による木の収縮により特定のポストとポストの間に負荷がかかり、振動効率がズレていきます。モデルごとに変化しやすい箇所があり、それが楽器ごとの吹き心地に影響する場合もあります。
金属の木管の場合でも、キーのバランス調整やガタ取りなど一般的なリペアによる素材への影響やサックスのようにトーンホールが大きい楽器は一方向への強度が弱く、歪みやすい特性を持っています。
これらの歪みや負荷は演奏上そこまで気になるものでもなく、気づかないことが多いです。しかし、年数が経つにつれて蓄積していくことで、諸問題へと発展します。
このような場合、「管楽器調律」を行うことで、楽器本来の振動バランスを回復させ、音の改善が期待できます。
上記以外の理由として、
サビが蓄積することで真鍮から亜鉛が溶け出して脆くなる
物理的な摩耗でガタが多くなる(抜差管やキー)
単純に汚れている
などが考えられますが、状態に応じて、洗浄や修理を検討します。
最新モデルはやっぱり良い
はい、筆者の私自身も楽器は最新の設計のモデルを使っています。ですので、誰しもがずっと買い替えなくても良くなると伝えたいわけではなく
その楽器をまだ使いたい意思があるのに直すという選択肢が無い状態を変えたい
です。
楽器の好みは人それぞれですので、好きなものを使えばよいと思います。設計は楽器メーカーが日々様々な実験と研究を行い、年々進化しているので、新しいモデルはやはり優れた設計の楽器が多いように思います。
しかしながら、不慮の事故でベルが凹んでしまったり、木が割れてしまったりしたときに、見た目を修理するだけでは音を完全に復元することは難しく、やはりこうして楽器の鳴りを調整する技術があることにより、トータルで楽器の寿命が伸びると考えています。
まとめ
結論
使いたい意思があるならとことん直しながら使えます
ということになりますね!
くれぐれも水分やサビには気をつけましょう。水分が残っていると腐食しますので、劣化の最も大きな原因です。
雑な扱いをしていると楽器の寿命が短くなりますので、定期的なメンテナンスが最も大事ですね。

