楽器が金属疲労を起こすと思っているあなたへ
楽器がヘタる原因について
金属疲労してるからこの楽器はそろそろ寿命だね
なんて聴いたことはありませんか?
断言しますが、適切な使用で金属疲労なんて起こりようがありません。
え?!?!
という声が聴こえてきますが、順番に解説していきます。
金属疲労ってなんですか?
金属が「少しずつ傷んでいく」現象のことです。たとえば、クリップを何度も曲げたり伸ばしたりしていると、最後にはポキッと折れてしまうことがありますよね?あれが、まさに金属疲労なんです。
普段は問題ない強さの力でも、同じ場所に何度も力が加わると、金属の内部に小さなヒビ(クラック)ができてしまいます。このヒビは放っておくと、だんだん広がっていき、最終的には「もう限界!」という感じで突然壊れてしまうのです。
たとえば、飛行機の翼や自動車のエンジン、遊園地のジェットコースターなど、日々繰り返し負荷がかかるものは、金属疲労がたまりやすいです。そのため、定期的に点検して、壊れる前にメンテナンスを行うことが大切とされています。
トランペットで例えるならば、何回も何回もベルをグシャグシャにへこませてしまってそれを複数回修理している楽器なんかは、金属疲労を起こしている可能性が高いです。
また、音響疲労といって高エネルギーの音響振動や高周波に晒されて続けることで金属がだんだんと破壊されていく現象があります。これは飛行機のエンジンや電気・ガス産業で使われる用語で、楽器のような振動とは全くエネルギーの数値が違う話です。
つまり、
一般的な使い方で、楽器は金属疲労をおこしません。
物理的な仕様で摩耗してしまう40年経過しているとかならわかりますが、
少なくとも、数年の使用で鳴りにくい音が出てくることは楽器として本来直せるはずの症状です。
もう音は直せないって言われるのって本当に悲しいですよね…
ではなぜ鳴りムラや吹きにくくなっていくのか?
長年使用していると楽器の各部位で僅かな振動効率のずれが生じ、結果として「特定の音が鳴りにくい」「音が詰まる」といった症状が現れることがあります。
これは金属自体の物理的劣化ではなく、振動伝達の効率に関わる要素であると考えられます。また、金管楽器はみなさんが思っている以上に繊細で、持ち運びや使用とともに僅かに歪みが生じていきます。真鍮の薄いパイプですから、グッと力をいれれば簡単に曲がるような柔らかい素材なんです。
木製の木管楽器の場合は、湿度の変化による木の収縮により特定のポストとポストの間に負荷がかかり、振動効率がズレていきます。どのモデルも共通してずれやすい部分があり、これが楽器ごとのクセのあるあるを作り出しています。
金属の木管の場合でも、キーのバランス調整やガタ取りなど一般的なリペアによる素材への影響やサックスのようにトーンホールが大きい楽器は一方向への強度が弱く、歪みやすい特性を持っています。
これらの歪みや負荷は演奏上そこまで気になるものでもなく、気づかないことが多いです。しかし、年数が経つにつれて蓄積していくことで、諸問題へと発展します。
このような場合、「管楽器調律」を行うことで、楽器本来の振動バランスを回復させ、音の改善が期待できます。
上記以外の理由として、
サビが蓄積することで真鍮内部の亜鉛だけが流れ出して脆くなる
物理的な摩耗でガタが多くなる(抜差管やキー)
単純に汚れている
などが考えられますが、どれも一般的なリペアで修理可能です
最新モデルはやっぱり良い
はい、筆者の私自身も楽器は最新の新しい設計のモデルを使っています。ですので、誰しもがずっと買い替えなくても良くなると伝えていわけではなく
その楽器をまだ使いたい意思があるのに直すという選択肢が無い状態を変えたい
です。
楽器の好みは人それぞれですので、好きなものを使えばよいと思います。設計は楽器メーカーが日々様々な実験と研究を行い、年々進化しているので、新しいモデルはやはり優れた設計の楽器が多いように思います。
しかしながら、不慮の事故でベルが凹んでしまったり、木が割れてしまったりしたときに、見た目を修理するだけでは音を完全に復元することは難しく、やはりこうして楽器の鳴りを調整する技術があることにより、トータルで楽器の寿命が伸びると考えています。
まとめ
結論
使いたい意思があるならとことん直しながら使えます
ということになりますね!
くれぐれも水分やサビには気をつけましょう。水分が残っていると腐食しますので、劣化の最も大きな原因です。
雑な扱いをしていると楽器の寿命が短くなりますので、定期的なメンテナンスが最も大事ですね。
